こんにちは。前回のブログの続きで、今回も不貞行為についてお話しをします。
 (前回の記事はこちら:不貞行為訴訟での主張立証

 前回は、不貞行為慰謝料請求訴訟においては、原告が不貞行為の主張立証をするのに対し、被告は、「不貞行為の前に夫婦関係はすでに破綻していた。」という反論をするという流れと、別居でもしていない限り、被告が「破綻」を立証するのは難しいという話で終わっていたと思います。

 そこで、「破綻」と立証しやすい、別居があるケースではどうなるか、を次にお話しします。

 別居していれば、原告が、「不貞行為は別居前からだった。」と主張立証しなければならなくなります。

 これが実は難しいのです。探偵でも雇えば、「現在」、不貞行為をしていることは比較的容易にわかるのですが、「いつから不貞行為をしていたか。」をはっきり突きとめるのは難しいのです。

 そこで原告としては通常、「『遅くとも』●年●月ころまでには、不貞行為が始まっており、別居はその後のこと」と主張することになります。だから、提訴する前に、「遅くともいつ頃までに不貞行為が始まったと立証できるか」を見極めておかなければなりません。

 たまに、妻が夫の不貞メールを見つけ、すぐさま別居し、その後探偵を雇ったので、夫が現在不貞行為をしていることも不貞相手も判明し、探偵の調査報告書という証拠もできたが、不貞開始が別居前であることについての証拠がほとんどないケースがあります。別居前にメールを写真にでも撮っておけば、有力な証拠となるはずですから、もったいないですね。

 このような場合、被告としては「別居後の不貞行為」を主張しやすいですから、ラッキーですね。

 原告としては、現在の不貞行為の証拠を準備するだけでなく、過去の証拠もきちんと確保しておかないと、後悔することになります。

 配偶者の不貞の証拠を見つけたら、いくらショックでも、落ち着いて、証拠固めをしてから別居しましょう。