こんにちは。暑くなってきましたね。

 よく、相談者の方が、「証拠はたくさんあります!」と言って持ってきたものが、「おしい!」感じのものばかりであることがあります。そこで、本日は、離婚の紛争に備えて証拠を集める際、注意する点についてお話ししようと思います。

 例えば、不貞の証拠を集める場合、ラブホテルに行った配偶者と不貞相手の姿を写そうとする方はたくさんいます。ところが、おしいのが、入ったところを写しただけで、すぐに2人の間に割って入ってしまったというパターンです。これでは、2人が肉体関係を持つのを阻止したも同然です。配偶者がラブホテルに入るのを見て怒りがこみ上げてくるのは当然のことですが、不貞行為を疑って慰謝料請求をするために尾行しているのであれば、落ち着いて証拠を集めましょう。

 また、入る所だけでなく、出てくるところも写した方がよいです。入るところと出るところを写すことにより、ラブホテルに入り、肉体関係を持ち、そして出てくるという一連の行為が分かります。入ったところの写真だけだと、いったん入ったけれど部屋を利用せずすぐに出てきた、などと言われる可能性があります。

 不貞を発見し、興奮して、不貞相手と配偶者の間に割って入って、不貞を白状させようとする方もいます。白状させたことでそのときは満足するかもしれません。でも、後日慰謝料請求をしたときにしらばっくれられたら、録音がないと、せっかくの白状が水の泡です。不貞相手の所に行って、不貞を白状させるなら、せっかくなので、ボイスレコーダーで録音しておきましょう。

 メールも証拠になりますが、発信者、受信者、送受信日時がわかるようにメールを確保しなければなりません。たまに、本文だけ写真に撮ったりする方がいますが、これでは、相手方に「自分は書いていない。」と言われるおそれがあります。

 財産関係については、預金通帳のコピーを証拠として使うことが多いのですが、これも、取引の履歴部分だけしかコピーしない方がいます。しかし、これでは、だれのどこの金融機関の口座の通帳なのかが分からなくなりますので、相手方に、「自分のじゃない。」、「知らない。」などと逃げられるおそれがあります。表紙から履歴の末尾まで全てコピーしておきましょう。

 カメラを使う場合は、もちろん、ピンボケにならないようにしなければなりませんし、ボイスレコーダーを使う場合は、少しは録音の練習をしてからがよいでしょう。