① 後遺障害等級について前回と同じ等級は認定されない

 後遺症による逸失利益や後遺症慰謝料の算定に影響する後遺障害等級について、同一部位の場合、前回と同じ等級は認定されません。例えば、前回の事故で14級と認定された場合、今回の事故では14級は認定されません。これは、今回の事故後の治療により事故前の14級の状態まで回復しており、今回の事故の影響は残っていないと判断されるからです。したがって、後遺障害等級認定を受けるためには、14級より上級の等級に該当することを主張していかなければなりません。

 もっとも、後遺障害等級が認定されないと、逸失利益や慰謝料が一切もらえなくなるわけではありません。例えば、前回事故により高次脳機能障害(5級2号)の認定を受けていた男性が、今回の事故の結果、高次脳機能障害(5級2号)を上回る加重障害には至らないとして自賠責では後遺障害等級非該当とされたものの、傷害内容・程度、入通院状況等から慰謝料が認められた裁判例などがあります。