1 はじめに

 皆様、こんにちは。
 弁護士の大西晶です。

 お店や施設の駐車場に、通行方向を指示する標識や標示(以下、「標識等」といいます。)があるのをよく見かけますよね。
 このような標識等に違反して、標示されている進行方向を逆走している車を見かけることも少なくありません。

 お店の駐車場は公道ではなく私有地であることが多いですが、もし公道ではない駐車場で、標示されている進行方向を逆走した車が他の車に衝突した場合、この「逆走した」という事実は、過失相殺の局面でどのように考慮されるのでしょうか(過失割合の問題)。

2 私有地である駐車場にも道路交通法が適用されるケースがある

 前述のとおり、お店の駐車場は私有地であることが多いですが、私有地である駐車場であっても道路交通法が適用されるケースが多いです。

 過去の裁判例では、飲食店の駐車場の中央部分(前掲大阪高判平成14年10月23日)やコンビニの駐車場の通路部分(東京高判平成17年5月25日)について道路交通法の適用を認めたものがあります。

 他方で、県立無料駐車場の中央部分について道路交通法の適用を否定した判例もあり(最決昭和46年10月27日)、私有地である駐車場について道路交通法が適用されないケースもあります。