こんにちは。いかがお過ごしですか。お子様がいらっしゃる方は、夏休みの子供の世話で大変!といったところでしょうか。

 先日行った調停は、子供がいる夫婦の離婚調停でした。今回は、「監護権者」の指定について話し合いがありました。

 「監護権」って、聞いたことがありますか?おそらく大半の方は、「親権」なら分かると思いますが、この「監護権」は、あまり知られていないのではないかと思います。「監護権」とは、未成年の子を手許において育てる権利のことで、親権に含まれるものです。

 法律上、離婚の際には親権者を定めなければならない、とされていることは、御存知の方もいらっしゃるかもしれません。では、「監護権」は、離婚との関係ではどういう問題になるのか、ということですが、これには、離婚の前と後の問題があります。

 離婚の後には、親権と監護権が父母それぞれに分属するという問題になり得ます。でも、親権と監護権の分属は特殊な事情がある場合にだけ認められることですので、とりあえず今回は割愛いたします。

 さて、離婚の前の監護権者の指定ですが、離婚の前であれば、父母ともに親権を持っているはずですよね。そのような状況の中、父母のどちらかに監護権を認める意味がどこにあるのでしょうか。よくあるのが、母親が子供を連れて父親と別居しているケースで、母親が子供を自分の手許で養育する権利を法的に確保するために、監護権者の指定を求めるというものです。

 子供を連れて父親と別居している母親の一番の心配は、子供を父親に取られてしまうのではないか、ということだと思います。例えば、別居している父親が、子供を母親のところから強制的に引き離し、自分のところに連れ去るというおそれがあります。また、夫婦が別居していても、子供には親と会う権利があるので、子供を連れている母親は、別居している父親と子供を会わせる(これを「面接交渉」と言います。)必要があります。しかし、別居中の夫婦間では、多くの場合、子供の取り合いになるので、父親が面接交渉が終わっても子供を自分のところに引きとめてしまい、子供を母親の元に帰さないといった事態が生じるおそれがあります。

 そこで、離婚に至るまでの暫定的な処分として、裁判所で監護権者を指定してもらい、このような事態に備えるということになります。

 監護権者として指定されると、万が一、子供が相手方に連れ去られたり、子供が相手方のところから帰って来なくなったとき、相手方に対して子の引き渡しがスピーディに行えることになります。また、離婚に際して離婚後の親権者を決める時、監護権者に親権が認められやすくなるという事実上のメリットもあります。