Q12: 離婚時年金分割制度(11)で、国民年金の保険料免除の制度について説明がありましたが、前回予告のあった退職(失業)による特例免除とはどのような制度でしょうか。

A12: 退職による特例免除とは
 前回、国民年金の保険料の免除の可否が、本人、世帯主、配偶者の前年所得(1月から6月までに申請する場合は、前々年所得)を基準に審査されることをお話ししました。

 退職者、失業者の場合、このような基準をそのまま当てはめてしまうと国民年金保険料免除制度を利用できないことになってしまいます。

 退職(失業)による特例免除は、退職(失業)した本人の所得を除外して審査を行う制度です。

 そうしますと妻が専業主婦で、親と同居していない場合、 免除が認められやすいということになります。

 申請は、市区町村役場の国民年金担当窓口へ「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」(申請書は、年金事務所や市区町村役場の国民年金担当窓口に備え付けてあります。)を提出して行います。

 手続きには、①年金手帳、②雇用保険受給資格者証の写しなど失業していることを確認できる公的機関の証明の写しが必要です。  

 詳しくは、お近くの年金事務所に問い合わせるとよいでしょう。

 保険料の納付を免除された期間が10年以内であれば、後で追納することができます。追納する場合は、年金事務所に「国民年金保険料追納申込書」を提出します。
 保険料の納付を免除された期間の翌年度から起算して3年度目未満に保険料を追納すると、加算金は上乗せされません。

 なお、会社を退職した時は、第2号被保険者(厚生年金)から第1号被保険者(国民年金)への変更の届け出が必要となります。また、第2号被保険者に扶養されている配偶者も、第3号被保険者から第1号被保険者への変更の届け出が必要となりますので、市区町村役場の年金担当窓口に「国民年金被保険者関係届出書」の提出をお忘れなく。

次回は、法定免除について説明します。

弁護士 石黒麻利子