今年の冬は、厳しい寒さが予測されているそうですね。まだ、11月に入ったばかりですが、私は、収納からオーバー、マフラー、手袋まで出して寒さに備えています。早すぎるって?、いえいえ、備えあれば憂いなしです、何事も・・・。

 さて、前回から離婚時年金分割の実務上の留意点について解説していますが、今回は、家庭裁判所への申立に関するお話です。
 (前回の記事はこちら:離婚時年金分割制度(10)

管 轄

離婚前の時

 離婚調停の付随事項、離婚訴訟での附帯処分として分割割合に関する申立てをおこないます。この場合、当事者の住所地、居所または最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。

既に離婚している場合

 分割割合を定める処分は、乙類審判事項とされています。乙類審判は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所(特別家事審判規則17条の6)、乙類調停は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定めた家庭裁判所(家事審判規則129条1項)に申し立てます。

申立てに必要な書類](乙類審判、調停の場合)

1 申立書(家庭裁判所に申立書用紙があります。)
2 社会保険事務所等から交付された「年金分割のための情報通知書」
3 離婚したことが分かる戸籍謄本
4 その他(収入印紙、予納郵便切手)

 申立ては分割割合を定める年金の種類ごとに1件となります。年金分割の対象期間中に、相手方が地方公務員から民間会社に転職した場合、年金分割の対象は、共済年金と厚生年金の2つとなるため、申立ては2件として取り扱われます。

 なお、離婚調停、離婚訴訟でも申立書と情報通知書は必要です。

申立ての趣旨

 「申立人(原告)と相手方(被告)との間の別紙記載の情報に係る年金分割についての請求すべき按分割合を**と定める。」

 審判、調停、判決いずれも年金分割のための情報通知書を別紙として添付し、これを引用する形式をとります。主文のほか、和解や調停の条項も同じ記載方法です。

施行日前から係属している事件(離婚調停、離婚訴訟)の場合

 離婚調停は、追加の申立書
 離婚訴訟は附帯処分の追加的申立てによります。

 次回は、「請求すべき按分割合(分割割合)を定める基準」について解説します。

弁護士 石黒麻利子