⑵ 当該住居に権利者が居住する場合
義務者が住宅ローンを支払っている場合
この場合は、2-⑴「義務者が住宅ローンを支払っている場合」と逆に、権利者が住居費用相当分の負担を免れていることになります。ただし、注意が必要なのは、権利者の住居費用が婚姻費用分担において考慮されるのは、権利者に収入がある場合に限られるということです。専業主婦等でそもそも収入がない場合、控除の対象となる収入がないことから、住居費用が現実に考慮されることはないからです。
なお、権利者にも収入があり、考慮が必要とされる場合でも、考慮の方法には様々なものがあります。
権利者が住宅ローンを支払っている場合
この場合、権利者は自らの居住に必要な費用を自ら支出しているのですから原則として考慮されないことになります。収入に比して、過大な住宅ローンを負担している場合であっても、この点は財産分与で考慮されるべきこととされるのが通常です。
双方が住宅ローンを支払っている場合
「双方が住宅ローンを支払っている場合」と基本的に同様で、当該住居の利用状況、それぞれのローン負担額などに照らしケース・バイ・ケースということになるでしょう。
婚姻費用の分担は算定表があることから簡単なように思われますが、上でみたようにいろいろと難しい判断を迫られるケースが多くあります。お困りの方は、ALG&Associatesまでご相談ください。