弁護士の坪井智之です。本日は、離婚に関して書きます。
 最近よくある相談は、結婚後離婚する場合に結納金の返還を求めたいとの御相談です。

 そもそも、結納というのは、婚約の成立を確認することを目的とする贈与であり、伝統的に社会的な慣習として行われてきたものです。
 婚姻の成立を確証し、あわせて、婚姻が成立した場合に当事者ないし当事者両家間の情宜を厚くする目的で授受される一種の贈与と考えられています。

 しかし、婚姻不成立の場合には、贈与契約が成立しなかったものとして、不当利得として返還を求める余地があることも裁判例上は認めています。
 このことを前提とすると婚姻が成立すると原則として、結納の目的を達しているため、返還を求めることができないことになります。
 しかし、法律上の婚姻は成立したが、夫婦としての実態がなかったような場合も、結納金が一切返還されないのも酷であり、一定の場合に婚姻成立後にも結納金返還を認めた裁判例もあります。
 以下、裁判例(福岡地方裁判所柳川支部判決昭和37年8月8日)の要旨を紹介します。