しかし、交通費である以上、あくまで受け取ることができるのは「実費」です。
 たとえば徒歩で病院まで行ったり、出先から直接通院したりしたときには、自宅から病院までの交通費は請求できません。
 勤め先に電車通勤と申請しておきながら自転車で通うことが認められないのと同じことです。

 仮に保険会社の知るところとなったときに、被害届を警察に提出されるなどしてしまうと、刑事事件として、最悪の場合立件されてしまう可能性もあります。保険会社の顧問を務めている知人の弁護士からの話では、最近はこのような事案が少なくないため、不正請求の額が僅少であったとしても厳しい対処をしているとのこと。安易な気持ちでやったことが、取り返しのつかない事態になってしまう可能性もあります。

 故意にやっている場合は論外としても、保険会社とのやりとりで分からないことがあれば、きちんと担当者に確認するか、不安であれば弁護士に相談して対処方法についての意見を仰ぐなどの対応を取られた方がよいでしょう。