交通事故で顔に傷跡が残ってしまった場合の損害賠償について

３．直接影響とは？

　例えば、喫茶店と居酒屋で接客業のアルバイトをしていた25歳女性について、左下眼瞼が右より下垂し、笑った時に左目が開いている、左の鼻の穴が右側と異なっている等の醜状痕（当時の7級12号（女子の外貌に著しい障害を残すもの））を残した事案について、年齢や女性であること、接客業であることを考慮して、67歳まで42年間、30％の労働能力の喪失を認めたという裁判例があります（大阪地判平成17年9月21日自保ジャーナル1633号）。
　このように、接客業であるなど容姿が考慮されうる職業についている場合などには、直接影響があり得ると判断されることがあります。