こんにちは。朝晩はだいぶ冷えるようになってきましたね。体調には気をつけてお過ごし下さい。今回は、家屋等改造費について若干述べていきたいと思います。お付き合いよろしくお願いします。

 赤い本基準によると、被害者の受傷の内容、後遺症の程度・内容を検討し、必要性が認められれば相当額が認められます。

 第五頸椎以下完全麻痺等で1級3号の中学生につき、「原告Xの介護のためには、原告Xの後遺障害の内容からみて、現在の住居(市営住宅の一一階、床面積五八・二〇平方メートルの三DK)では不適であり、新たに購入する居宅においては、自宅内を車椅子で移動できるようにホームエレベータを設置し、入浴、排便等が容易に行えるように水平トランスファーシステムを設置する必要があること、及び右工事には合計八八二万円の支出を要することが認められる。

 ただし、ホームエレベーターの設置については他の家族の利便と生活向上にもつながるものであるから、右設置代金の八割をもって本件事故と相当因果関係を有する損害と認める。」と判示したものがあります(大阪地判平10.6.29)。

 後遺障害等級1級の事案であり、私生活に重大な支障が出る事案であるため、判決の内容は妥当なものといえるでしょう。  また、エレベータ以外にも、トイレ・浴室・スロープ、段差解消機等が改造内容としては考えられます。

弁護士 大河内由紀