こんにちは。今回は傷害慰謝料の算定方法についてお話したいと思います。

 傷害慰謝料とは、交通事故によって怪我を負い、苦しんだことに対する慰謝料です。入院や通院期間が長期にわたるほど苦痛が長引いたことになるので、慰謝料額は大きくなります。本ブログでも度々紹介している赤い本では、入通院慰謝料の算定表が掲載されています。

 その表は、「一見は一聞に如かず」なのですが、横軸が入院期間、縦軸が通院期間になっており、その交差する数字が裁判基準での入通院慰謝料額となります。

 入通院期間はそれぞれ1月単位となっており、表では1月から15月まで掲示されています。

 ここで、入院が1月、通院が2月であれば分かりやすいのですが、入通院期間がそれぞれ1月単位でない場合も多く、その様な場合に算定方法が問題となります。

 例えば、入院10日、通院1月という場合を想定し算定をしてみましょう。

 この場合は、表をストレートには使えません。そこで、まず、入院慰謝料を算出し、次に総治療期間の通院慰謝料額から入院期間分の通院慰謝料額を引いて入通院慰謝料を算出します。

 具体的には、1月の入院慰謝料が53万円ですから、1月は30日とし、54万円÷30日×10日≒17万6667円が入院慰謝料となります(①)。

 次に、総治療期間は40日ですから、40日の通院慰謝料を算出します。表では、1月の通院慰謝料が28万円、2月の通院慰謝料が52万円ですから、40日間の通院慰謝料は28万円+(52万円―28万円)÷30日×10日=36万円(②)

 更に、入院期間分の通院慰謝料、つまり10日分の通院慰謝料額は28万円÷30日×10日=9万3333円(③)
 以上により、①+②-③=44万3334円が入院期間10日、通院1月の入通院慰謝料となります。