交通事故によって被害者が死亡した場合、葬儀費用は、損害として賠償されるのでしょうか。

 赤い本の基準によると、葬儀費用は、原則として150万円とされ、支出した葬儀費用が150万円を下回る場合、実際に支出した額が損害として賠償されるようです。

 他方、34歳男性、大手監査法人勤務につき、妻が葬儀関係費として254万円余、両親が葬儀関係費として48万円余、墓地、墓石代等400万円余を支払った事案につき、被害者の身上や事故態様等に照らし、葬送等に手厚く対応しようとしたことは無理からぬとして損害として250万円の賠償を認めた事例もあります(東京地判平20.8.26)。

 因みに、香典は損益相殺されないですが、その反面、香典返しは損害として認められません。

弁護士 大河内由紀