1 はじめに

 弊所横浜支部の向かいには、おしゃれな結婚式場があるため、幸せそうなご夫婦を執務中よく見かけます。

 さて、結婚するご夫婦もいれば、離婚して新たな幸せを目指すご夫婦も多くいらっしゃるわけですが、離婚に至る原因として、やはり多いのが配偶者の浮気(法律上は「不貞行為」といいます。)です。

 大抵は、まず浮気が発覚してそれを原因として離婚という流れになることが多いのですが、今回は、その逆で、「離婚をしているのですが、その後、実は夫(妻)が浮気をしていたことが分かりました。この場合でも、慰謝料を取れますか?」という問題について考えていきたいと思います。

2 慰謝料の金額を定めていない場合

 この問題については、どのような内容条件で過去に離婚をしたかによっても異なってきます。

 例えば、協議離婚により離婚届を提出して、慰謝料の金額を特に定めていなかったような場合には、離婚が成立していても、離婚に伴う金銭上の問題は解決していないわけですから、別途慰謝料請求ができることになります。ただし、「損害及び加害者を知ったときから三年間」の時効消滅期間に注意する必要があります(民法724条)。

3 離婚の際に書面を作成している場合

 これに対し、協議離婚や裁判上の離婚で、書面を作成している場合は要注意です。作成してある書面を確認してみましょう。「清算条項」というタイトルの条項はあるでしょうか。または、このようなタイトルが付いていなくても、「本件離婚に関し、お互いになにも請求しない。」という内容の条項や、「本件離婚に対し、お互いに債権債務がないことを確認する。」という内容の条項が入っていないでしょうか。この場合は特に厄介です。

 後から分かったからといって、「実は・・・。」として、後出し的に色々追加していっては、事件が一向に解決しなくなってしまいますので、このような書面がある場合は、別途の慰謝料請求はできないという結論になる可能性が高いと思います。

 他方、書面を作成していても、上記内容の文言が入っていない場合には、すべてを解決したということにされていないわけですから、合意書がないときと同様に請求できます。ただ、この場合でも、合意した時の状況、内容等によっては、過去の不貞に対する慰謝料分も考慮されているとして請求できないこともありますので、注意が必要です。

4 まとめ

 以上のように、結論としては、離婚時に慰謝料(解決金や財産分与名目の場合もあります。)を定めていない場合を除き、後で不貞していたことが分かったとしても、紛争の蒸し返しであるとして、裁判所には別途の慰謝料請求は認めてもらえない可能性があります。ただ、書面の内容によっては請求できることもありうるので、まずは弁護士に相談してみることをお勧めします。

 当事務所には、慰謝料に関する問題を多数扱っている弁護士がおりますので、お気軽にご相談下さい。

 当事務所の横浜支部は、横浜駅きた東口Aから徒歩7分のところにあります。横浜支部までの道順が分からない場合ご案内致しますので、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。

 

弁護士 森 惇一