先日、婚外子の相続分に関して最高裁違憲判決が出たことは、新聞等の報道でご存知の方も多いかと思います。

 この判決に対して、様々なご意見があることとは思いますが、私個人としては、まっとうな判決だと思っています。

 ツイッター等の意見をみると、そのほとんどが、不当な批判、差別的内容のものですが、その中で、ふーん、一つの理屈ではあるなあというものがありました。ただ、その点に関しても、判決の補足意見できちんとフォローされており、合理的な説明がされていたと思います。

 その批判、意見はこういうものでした。

 「法律婚によって家族、親族関係が形成され、家族、親族は、共同体として財産の形成、維持に寄与している以上、相続分においても、嫡出子と非嫡出子との間に差があったとしても仕方がない。」というものでした。

 なるほど、相続は、遺産形成、維持に寄与しているものにその多くを与えるべきだという発想は、一つの理屈ではあります。

 しかし、非嫡出子(婚外子)には、その遺産形成、維持に参画する機会すら与えられておらず、その原因は、子ども自身には全く関係のないことにあるとすると、合理的な差別とはいえないでしょう。

 マスコミ報道やネット情報は、時に大衆迎合的な方向に流れてしまいます。一度、マスコミ報道やネット情報を疑い、影響を受けることなく、自分自身で是非、最高裁判決全文を読んでいただきたいものだと思います。

 是非、皆さんも最高裁の判決全文読んでみてください。