ブラジルにおいては、直ちに、離婚を請求することはできず、原則として、別居の判決を得る必要があります。
法定別居の原因つき、まず、配偶者の一方は、他方の配偶者が婚姻義務の重大な侵害行為をし、共同生活が困難になった等の場合には、法定別居訴訟を提起することができます。
また、配偶者の一方が1年以上共同生活を破棄し、かつ回復が不可能であることを立証した場合においても、法定別居を申請することができます。配偶者の他方が重い知的病気に冒され、婚姻後に発病し、共同生活の継続が不可能になった場合において、その病気が不治であると認められてから2年後に法定別居を申請することができます。
次に、1年以上別居し、夫婦の双方が裁判官に対し、別居の意思を表明し、その協議が認証されたときには、法定別居ができます。ただし、裁判官は、夫婦間の協議が子又は一方の配偶者の利益を十分に保証していない場合、認証を拒否し、法定別居を宣言しないことができます。
法定別居の判決の確定又は身体の別居の予備的措置を与える決定から1年が経過した場合には、離婚への転換を請求することができます。また、2年以上事実上別居していることを立証した場合には、離婚を請求することができます。
弁護士 大河内由紀