民法733条1項は、「女は、前婚の解消又は取消しの日から6箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。」と規定しています。
このように女子にのみ再婚禁止期間が設けられた根拠は、父性推定の混乱、すなわち生まれた子が前夫の子か後夫の子かわからない事態となることを避けることにあります。
しかし、この規定に関しては、様々な批判があります。
まず、6か月という期間は長いという批判があります。父性推定の混乱を避けるには、6か月でなく、3か月で十分といえるということです。
また、現在では、DNA鑑定によって、父性を明らかにすることも十分可能であって、民法733条1項の規定の存在自体に異義が唱えられています。
もっとも、民法733条1項の適用が除外される場合もあります。
まず、同条2項が、「女が前婚の解消又は取消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。」として、民法733条1項の適用除外を定めています。
また、明文はないものの前婚の夫と再婚する場合や女性が明らかに懐胎可能な年齢を超えている場合等父性推定の混乱のおそれがない場合には、民法733条1項は適用されないといわれています。
ただ、前述したとおり、現在では、DNA鑑定によって、父性を明らかにすることが可能である以上、民法733条1項自体の存在について異義のあるところです。
したがって、民法733条1項の規定自体を廃止するのが適当といえるでしょう。
弁護士 大河内由紀