皆様、こんにちは。

 近年、国内ではmixiあたりが火付け役となって隆盛しているソーシャルネットワーキングシステムですが、アメリカやイギリスでは離婚の原因としてFacebookでの記載を発見したことが割合的に増えているようです。

 Facebookは自身のプロフィールを公開することで、ネットを介した交流をはじめるツールです。遠方の人とリアルタイムに近い感覚で近況を報告し合って交流を深めたり、旧知の間柄の人たちとばったり再会して旧交をあたためられたりするなど、上手く使いこなせば多面的な交流をアシストする効能があるようです。

 読売新聞の2012年3月8日付の記事によれば、英米では、Facebookで異性に対して不適切なメッセージを送っていたのが発覚したこと、Facebookで別居中の夫婦が相手を罵倒したこと、配偶者の行動についてFacebookの友人から報告を受けた、などといった出来事から離婚にまで発展しているケースが増加中のようです。

 メッセージについては、今まで携帯電話のメールから怪しげな行動が発覚したというのと似ていると思います。別居中の夫婦喧嘩についてはコメントの削除が可能とはいえ記録に残ってしまうので、内容は人それぞれですが喧嘩の様子を証明する客観的な証拠となりえますね。友人の報告については、今まででしたら地元にいる共通の友人が目撃した、というようなレベルでしたが、Facebookで配偶者のアカウントを明かしてしまうと見つかる可能性が一気に増えてしまいますね。

 ここ最近の離婚の端緒としては、携帯電話のメールや写真の中身を見て知ったというのが割とあったのではないかと思いますが、英米ではそれがFacebookに拡がったという見方をすべきなのでしょう。日本であれば他にmixiやTwitterから発見される可能性もありそうですね。

 離婚原因につながる情報を得るために、架空のアカウントを設定して他方配偶者へ友人登録の申請を行うといった方法が考えられます。私でも直ぐに思いつくのですから既に試した人はいるかもしれません。

 ただ、このような方法で得られた証拠を有効な証拠として扱って良いものか、個人的には悩ましい気が致します。他方配偶者が居ない間に携帯電話のメールをのぞいてしまうのと似ているようにもみえますが、これは携帯電話にロックをかけていなかった本人のミスによるところが大きいとは思います。

 しかし、Facebookに関しては、慎重さが足りなかった、の一言で片づけてしまうのは、友人を増やそうというそもそものねらいからするとなかなか酷であるように思います。

 とはいえ、裁判で提出されても、証拠収集の過程や証拠の適法性については刑事事件ほど厳格な判断を受けるわけではありませんので、おそらくは有効な証拠として扱われてしまうとは思います。そもそも、そのような記事を掲載しなければいいだけの話ですが、海外では増加傾向にあるとのことですから、国内でもそのうち増えてくるのかもしれません。

 今回もお付き合いいただきありがとうございました。