Q7:私の夫は、地方公務員です。現在、夫との離婚を考えており、離婚時年金分割についてインターネット等で調べているところです。それによると、よく年金事務所に請求すると書かれているのですが、最近、知人から、年金の種類によって相談窓口や取扱機関が異なることを聴きました。私のような公務員の妻の場合、どこに相談したらよいのでしょうか?

A7-1: 年金分割の対象となる年金の種類
 年金分割制度の対象となる被用者年金には、①厚生年金、②国家公務員共済年金、③地方公務員共済年金、④私立学校教職員共済年金の4つの種類があります。

A7-2:年金分割事務の相談窓口・取扱機関
 被用者年金の種類によって、用語などに一部違いがある場合もありますが、年金分割制度の基本的な仕組みは、この4つの年金で変わりはありません。
 ただし、気をつけて頂きたいのは、年金分割の事務を取り扱う機関が、被用者年金の種類によってそれぞれ異なる点です。

 厚生年金の場合は、年金分割の相談窓口・取扱機関は、全国の年金事務所ですが、国家公務員共済年金の場合は、現在勤務している各省庁の共済組合です。被用者年金が、国家公務員共済年金でも、国家公務員を退職した後は、国家公務員共済組合連合会年金相談室が窓口となります。

 地方公務員共済年金の場合は、現在所属している、あるいは、過去に所属していた共済組合が窓口となります。今回の質問者のご主人は、地方公務員ということですから、ご主人が所属している共済組合に相談なさって下さい。

 私立学校教職員共済年金の場合は、日本私立学校振興・共済事業団共済事業本部広報相談センターが窓口になります。

A7-3:転職した場合の注意点
 例えば、地方公務員のご主人がかつて国家公務員であった時期があった場合などのように転職により、被用者年金の種類が複数ある場合、年金分割の手続きは年金ごとに行うことになります。

A7-4:相談窓口のお問い合わせ先
 最高裁判所作成のリーフレット「クローズアップ ご存知ですか?年金分割制度における家庭裁判所の手続き」に、年金分割制度等のお問い合わせ・相談窓口の連絡先がありますので参考にして下さい。
 ウエブサイトは、以下のとおりです。
 http://www.courts.go.jp/about/sihonomado/pdf/mado71/08.pdf

弁護士 石黒麻利子