調停等で決めた面会交流を相手方が守らず、面会交流が実現していないときに、どういう手段をとれば面会交流を実現できるのでしょうか。

 この点について、間接強制という方法があります。

 間接強制とは、強制執行の類型の1つであり、面会交流が実現できなかった毎に金銭を支払わせることによって、面会を実現させる手段で、直接子どもの身体を確保して強制的に面会を実現させる手段ではありません。

 もっとも、面会交流の間接強制の実現のためには、面会交流の条件が調停または審判で具体的に決まっている必要がありますので(監護親の義務となる面会交流の条件に違反したか否かの区別を明確にするため)、この点に関する最高裁判例をご紹介いたします。

 最高裁平成25年3月25日決定は、まず一般論として「面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流時間の長さ、子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合」には、面会交流の方法を定めた審判に基づき監護親に対し間接強制をすることができるとしています。

 そして、本決定は、面会交流の日程・時間について、月1回、毎月第2土曜日の午前10時から午後4時までとされていること、場所は相手方自宅以外の相手方が定めた場所とすること、面会交流の受渡場所は、協議が調わないときは、JR甲駅東口改札付近とされていること等から具体的に定められており、監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないと結論付けています。

 このように、面会交流の間接強制の手続には、問題になる点が多いため、お困りの際は、ご相談ください。