第二は、共有物の管理行為です。民法252条本文は、共有物の管理に関する事項について、各共有者の持分の価格の過半数で決することとしています。共有物の利用方法の決定などは、この管理行為にあたると考えられているようです。
第三は、共有物の保存行為です。民法252条但書は、共有物の保存行為は各共有者が単独でできるとしています。保存行為の例としては、共有物の修理や点検などがありますが、判例(大判大正10年7月18日民録27-1392)は共有地の不法占拠者に対する妨害排除と明渡しの請求も保存行為に含まれるとしました。
共有物の賃貸借契約の解除は、上記3分類のどれに該当するのでしょうか。判例(最判昭和39年2月25日民集18-2-329)は、共有物を目的とする賃借契約の解除は共有物の管理行為に該当すると判示しました。上記第二から、共有者の持分価格の過半数の同意で契約解除ができそうです。