3の本人がつけた記録 についても、相手方がこの内容を争えば、本人が裁判所に出廷して尋問を受け、その内容が真実であることの確認を行うこととなります。被害を受けた本人がさらに被害を思い出して供述しなければならなくなりますが、本人の方には、精神的に気丈になっていただき、相手方の反対尋問にも揺らがず一貫した供述を続けることが重要です。

 客観証拠が押さえられ、相手方がこれを認めざるを得ないと考えた場合には、セクハラは存在したものとして、裁判外で、和解金などの民事的な損害賠償を受けることができる可能性があります。

 ただし、2または3のみという場合(証拠が「供述」か「本人の記録」しかない場合)は、裁判の場で相手方がこれをとことん弾劾(効力を争うこと)しそれが成功してしまうと、結局被害事実が証明できず、何の賠償も得られないことも考えられるというリスクがあります。