こんにちは。今日は、刑事弁護人の活動のお話です。

 

犯罪の被害に遭われた方に対し、刑事弁護人として被疑者あるいは被告人に代わって謝罪にうかがうことがあります。
被害者のかたからすれば謝って済む話ではないのですが、それでもできる限り謝りに行きます。被疑者あるいは被告人が自分が犯罪を犯したことを認め被害者の方の立場にたって自分がしたことを振り返り、きちんと謝罪の気持ちをもってもらうためにも必要です。そして二度と犯罪を犯さないように反省させるためにも謝罪に伺います。
しかし、いざ被害者の方に直接お会いしてみると、被疑者、被告人の謝罪の気持ちを伝えること自体がとても難しいことを痛感します。

例えば、もう忘れたいと思っていたところにのこのこ弁護人がやってきて「あの時は本当につらい思いをさせてしまいました。被告人も大変反省していまして・・・」と話すことは、無神経と言いますか神経を逆なでする行為だと思います。それでもしっかり被告人が反省していることをお伝えし、被害者の方のお気持ちを受け止めなければなりません。被害者のお気持ちをお聞きすると、示談のお話をするのはとても辛いです。

その上、被害者の方に被告人の反省していることをお伝えし謝罪する手段は、反省の手紙を読んでいただいたり、被害によっては到底金銭的な賠償で償えるものではない心の傷を負わせてしまうことがあっても金銭的な賠償をするしかないことが多いのです。

  

それでも弁護人は被害者の方にきちんと謝罪し、謝罪を伝える手段として賠償金を受け取っていただきたいとお願いします。