さて、前回ブログにて全てを書ききれなかったので、PFI刑務所について第二弾。日本で初めての取り組みについて書きます。
(前回の記事はこちら:PFI刑務所について)
それは、島根あさひ社会復帰促進センターで行われています。何をしているかというと日本盲導犬協会の協力を得て「盲導犬パピープログラム」を実施しています。このプログラムは、受刑者が盲導犬候補となる子犬(以下「パピー」と言います。)の世話をし、「信頼される喜び」、「人の役に立つ喜び」を感じることにより、受刑者の社会復帰の促進が期待されています。その為に、施設近隣に盲導犬訓練センターが設立されました。受刑者がパピーを生後60日ころから1歳になるまでの約10か月間育てるものです。
プログラムに参加する受刑者は、グループを作り24時間パピーと生活を共にし、エサやり、運動等の世話をしながら人間社会のルールを理解させ、パピーが人間と信頼関係を築きあげることができるようにすることになっています。本プログラムに参加することにより、受刑者は声明を慈しむ心を育み、社会貢献できる喜びを体験します。
施設職員さんに伺った話では、「人に意思を伝えることが苦手だった受刑者が、自らの意思を他人に伝えられるようになった」、「社会に貢献できる喜びを感じ、社会復帰に向けて意欲的になった」等の前向きな変化がみられるようになったとのこと。
パピーはより多くの社会経験を積ませる必要があるため、週末は施設周辺のボランティアに預けて世話をしてもらっています。週末のパピーの生活について受刑者は詳細について実際に目にすることはできませんが、生活の様子について飼育日誌の交換という形でやり取りを行っています。
2013年には09年のプログラム開始以来、島根あさひ社会復帰促進センターで育てられたパピーが初めて盲導犬となり、社会で活躍しています。今後も受刑者の社会復帰の促進や、盲導犬の育成に貢献してくれることと思います。
このように、刑務所では受刑者の社会復帰を目指すために様々な取り組みを行っています。不定期ですが、ブログで公開していきますので、ぜひ読んでみて下さい。
元矯正職員