さて、刑事施設に関するブログ今回は食事です。

 みなさんは刑務所の食事について何を思い浮かべますか。よくテレビドラマや映画で「臭い飯食ってこい!!」等のセリフを聞かれたことがあるのではないでしょうか。では、実際に刑務所の食事は臭いのでしょうか?たしかに、白米7割と麦3割ということで少し匂いはあります(人によっては全くダメな場合もあるでしょう)。しかし、みなさんがイメージされているような強烈な匂いではありません。

 現在、収容者数が多い施設では栄養士の指導により食事が作られていますし、3食栄養バランスを考えた食事が作られています。カレーライスやカツ丼、ラーメンも出されます。祝日には通常の3食以外に特別にお菓子類が出されます。施設によっては、誕生月に誕生日会が行われてケーキやジュースが振舞われます。大規模施設になると施設でパンを作っていて、それが受刑者の食事に出されます。このパンが味もよく評判がいいと聞いたことがあります。また、宗教によっては食べることができないものがあったり、アレルギーを持っていて摂取できないものがある場合は、代替食品が出されることもあります。

 刑務所の食事ですが、以前に書いたPFI刑務所では民間の従業員さんが作っていますが、通常の刑務所では受刑者が調理業務を行っています。この炊事作業をするにも、受刑前に飲食店での勤務経験等がある等の基準があり、審査を通過した者が選ばれます。作業は、朝は他の受刑者がまだ寝ている時間帯から夕方は他の作業が終わった後も続きます。皆さんが毎日食事をするように受刑者も毎日食事をするので休日も炊事業務を行います。複数の受刑者がローテーションを組んで行っています。

 最後ですが、刑務所で作られている食事を食べられる機会があるのを知っていますか?山口県の美祢社会復帰促進センターや島根県の島根あさひ社会復帰促進センターでは、入り口を入ってすぐのところにある食堂で数量限定で販売されています。それ以外にも、各施設やイベント会場で行われる矯正展と呼ばれるイベントで、これも数量限定ですがカレーやお弁当が販売されています。また、自施設でパンを作っているような施設が参加する矯正展ではパンの販売も行われます。これらは、争奪戦になってしまいます。もし、お買い求めになりたい場合は、お早目に足を運んでみてください。
 なお、矯正展は施設見学等もありますので、ぜひ日程を確認して行ってみてください。

元矯正職員