警察の対応の流れ

 では、DVが行われた場合に警察は段階に応じて以下のように協力してくれる場合があります。
 警察は、①暴力の発生した時には犯罪として検挙し、防止のために動き、次に被害者が夫と距離を置くための一歩を踏み出したときには②保護命令の発令に協力し、③発令後その通知を受けて被害者及び加害者を把握し④保護命令違反に対しては刑事事件として対応、⑤被害者に離婚後はストーカー規制法を使って被害者を守るという対応をしていきます。その他にも、110番通報で急行して加害者に警告を発したり行為を制止したりし、現行犯逮捕をすることもあります。また、被害者が負傷している場合には、状況により被害者を一時的に保護したり、さらには希望に応じて自宅周辺をパトロールしたりもします。

DVを受けた場合はしっかりと主張を

 以上のようにDVは犯罪です。主に女性は子供のことや今後の生活のこと、また夫に対する情から刑事事件化を避ける傾向にあります。しかし、それを放置することは子供の虐待に繋がったり、妻に対する暴力は次第にひどくなり最悪の場合には殺人につながりより悲惨な結果もあり得ます。DVを受けている女性は、しっかりと主張し、自分の身を守ることを第一に考えましょう。

弁護士 坪井 智之