交通事故により、こちらの使用している車両が破損し乗れなくなってしまった場合、とりあえずは買い換えや修理を行うこととなります。ただ、買い換えや修理といっても、1日2日で乗れる状態の車が戻ってくるわけではありません。

 特段車に乗らなければならないような事情がないのであれば、気長に修理などが終わるのを待てばよいのでしょうが、別途車がないと困るという場合には、他に車を借りなければならないことになります。

 この時のレンタカーの手配に伴う負担はどうなるのか、ここで代車使用料についての扱いを知る必要が出て来ます。

 今回は、最初の問題として、そもそもどういう場合に代車の使用と費用負担の請求が認められ得るかをみてみます。

 この点は、大まかに言って、必要性がどの程度認められるかということです。普段ほとんど乗らない車が事故で使えなくなったというのであれば、その間代車を手配しなければならない必要性はないでしょうし、仮にレンタカーを用いても費用請求は難しいでしょう。

 では、その必要性はどの程度のものとなるのか。

 一つは、日常的にかなりの頻度で当該車両を用いる実態があることではないかと思います。事故で会社の保有する外回り営業用の社用車が破損したのであれば、代車の使用は認められやすくなると考えられます。他方、週に1・2回の近所での買い物の際くらいにしか使わないのであれば、認められにくいのではないでしょうか。

 もう一つは、当該車両がなくなると、重大な支障が生じると認められることであると考えられます。先ほどの社用車の例でも、一台壊れたところで駐車場には遊ばせている車が何台もあるようでしたら、レンタカーではなくそちらを使えという話になると思います。

 その他、毎日通勤に使用する車が壊れたような場合、電車等の代替手段が大した負担無く使用できるのであれば、やはり必要性はないと判断されると思われます。

 すぐにでも代わりの車を用意しなければならず、他に代え得る方法もないというならば、代車使用の必要性は認められ得るでしょう。

 次回は、この時用意できる代車はどの程度のものになるのか、かかる費用はどの程度の金額まで請求できるのかについて触れてみようと思います。