代車の使用期間は、修理または買替期間として相当と認められる期間に限られます。いつまでもダラダラと代車を使い続けた場合には、費用を自己負担する羽目に陥る可能性もあるので、注意が必要です。

 相当と認められる期間がどの程度であるかは、損傷の程度や修理部品、買替品の手配しやすさなどで変動しますが、大体は1~2週間ぐらいとなることが多いようです。保険会社も、2週間くらいで代車を返却するよう求めることが多い印象です。

 その他、30日くらいを相当期間とする場合も多いように思われます。これは、保険の約款に代車の料金を負担する場合は30日を限度とする条項があるからと聞いたことがありますが、真偽は不明です。

 破損車両が市場にあまり出回っておらず、部品の手配などに時間がかかる場合には、相当期間も長めに解されることが多いようです。また、破損部位が重要かつ複雑な箇所であった場合なども、やはり長めに期間が取られるようです。

 一方、被害者の感情面は、あまり重く評価されていないようです。裁判例に、被害者に対する真摯な説明を求めるものはありますが、話し合いが暗礁に乗り上げた場合や、加害者がなかなか賠償を行わなかった場合でも、一定期間までしか代車の費用負担を加害者側に求めることはできないとする判断がなされているものもあります。

 代車を巡る問題は、結構難しい所があります。安易に代車を使ってしまい、後で高額の費用負担をすることになったなどという事態に陥らないためにも、基本は保険会社と上手く折衝しながら代車を使うことが無難であると思われます。