こんにちは。今回は、実況見分調書の取り寄せ(閲覧・謄写)についてお話ししたいと思います。

 交通事故の示談交渉をしている際、事故態様や過失等に争いが生じており、実況見分調書の取り寄せをしなければならないことがあります。実況見分調書とは立会人からみた事故状況を記録したものであり、事故当事者それぞれで作成されることも珍しくはありません。その場合は、相手方はどのように事故状況を認識していたのかを知るために、依頼者のみならず相手方の実況見分調書も取り寄せる必要が生じます。

 では、取り寄せる(閲覧・謄写請求をする)といっても、何をすれば良いのでしょうか。

 それは、まず、実況見分調書が現在どこにあるのかを調べることです。

 具体的には、事故現場を管轄する警察署に電話をかけます(もちろん直接行っても良いのでしょうが)。そして、交通事故の実況見分調書を取り寄せたいことを伝えると担当者につないでもらえます。

 担当者に、事故日と当事者の氏名、生年月日を伝えると、事件の送致先、送致日や検番等を教えてもらえます。相手方の名前や生年月日は、事故証明書に記載されているので、電話をかける際は、事故証明書を手元に置いておくと話がスムーズに進みます。 

 そして、送致先(例えば東京地方検察庁です)が分かれば、処分結果を聞き、弁護士会照会を行うことになります。

 当事者自身が謄写・閲覧請求をする場合は、身分証明書のほかに、相手方保険会社からの書面等、実況見分調書を取り寄せる必要性を示す書類も持参する必要があります。ですので、無駄足にならないよう、一度、請求に行かれる前に電話で確認をされるのが良いでしょう。また、請求したその日には閲覧・謄写の許可は下りず、少なくとも2回は行かなければならないので、この点も注意が必要です。