こんにちは。先日、むちうちの症状がひどく、通院をしたいが、物損の届出しかしていないという方がご相談に来られました。

 むちうちは受傷直後には症状がなく、数時間たってから痛みが出たり、気分が悪くなってしまったりしてしまうことがあります。

 また、事故現場で、相手方から、「人身扱いだと仕事に影響がある。治療費等は責任をもって支払うので、この場は物損扱いにしてほしい。」と言われ、相手方に同情し応じられる方もいらっしゃいます。

 ご相談に来られた方も、自分の父親ぐらいの年齢の相手方に、「仕事をクビになる」と泣きつかれたため、物損扱いに応じたとのことでした。

 警察としても人身ならば実況見分をしなければならないので、軽微な事故の場合は物損の届出を勧めてくることがあります。また、後日、物損から人身への切り替え手続きをしようとしても、露骨に嫌がられることも少なくありません。

 実況見分調書は過失割合等が争いになったときに有力な証拠となります。残念ながら事故現場では全面的に責任を認めていても、後日、信号無視や一時停止違反等の自らの主張を覆してくる方がいらっしゃるのも事実です。

 事故もお互いさま、という気持ちで相手方に同情し、後日ご自身が不利益を被ることも考えられますので、お怪我を負われている場合は最初から人身の届出をされた方が良いでしょう。また、事故当時は痛み等がなくても後日、症状が現れてきたときには、なるべく早いうちに人身への切り替えをされることをお勧めいたします。

 物損から人身に切り替えられる際には、警察も相手方と実況見分の期日を調整するなどの手続きが必要なため、突然警察署に行かれるのではなく、まず、担当の警察官に人身切り替えをしたい旨、連絡を入れることになります。