今回は、遅延損害金についてお話します。
損害賠償には、保険金が支払われるまで、民法が定める年5%の利息が上乗せされることとなっています。
そして交通事故における、遅延損害金の起算点は事故発生日となります。
現在は、年5%で運用できる金融商品等は無いに等しいので、この5%の遅延損害金は馬鹿に出来ないのではないでしょうか。
また、少し見落としがちなものとして、保険会社から損害賠償金が全額支払われる前に、自賠責保険金や遺族厚生年金等が支払われることがあります。
この、自賠責保険金や遺族厚生年金が支払われた場合、保険金の額から損益相殺として、既払いの自賠責保険金や遺族厚生年金は当然控除されます。
しかしながら、事故時から自賠責保険金や遺族厚生年金が支払われるまでの間、遅延損害金は既に発生しているのですから、事故時から自賠責保険金等が支払われるまでの遅延損害金は別途請求することは可能です(最判平11.10.26)。
細かいところですが、忘れがちなところでもあります。交通事故においては、細かい損害の積み上げが不可欠ですので、参考にしてみてはどうでしょうか。