こんにちは。ETCの普及に伴い、ETCレーンでの事故が起こったときの過失をどのように考えるべきかという研究がされています。今日はそのお話を少しさせていただこうと思います。

 ETC(自動料金支払いシステム)とは、車両に設置されたETC車載器にETCカードを挿入し有料道路の料金所に設置された路側アンテナとの間の無線通信により車両を停止することなく通行料金を支払うシステムと言われています。

 ここで事故の態様は、開閉レバーへの衝突や車両同士の事故とに分けられ、後者には停止・減速中の先行者への追突、先行者の後退、割り込み、その他の異常運転による事故などが考えられます。

ETCが設置されている場合、開閉レバーが開かない場合、「開閉レバーが開かない原因」として、車両側に原因がある場合とゲート側に原因がある場合に大きく分かれます。

 ETCゲート側の故障が原因の場合は先行車0、後続車100とする考え方がほぼ固まっています。この場合先行者の落ち度が問題になりにくいためです。

 これに対して、開閉バーが開かなかった原因が先行車者側にある場合には先行車側にも過失を認める考え方があります。先行車の停止について先行車になんらかの落ち度がある場合には、先行車にも過失を認めることが交通事故における損害の公平な分担の理念に合致すると考えられるからです。

例えば、先行車が
① ETC車載器の不搭載
② ETCカードを入れ忘れてETCレーンに進入した場合
③ ETC車の故障
等が考えられます。

 判例は少しずつ増えて来ていますが、上記①から③のような先行車の落ち度以外にも過失修正要素は今後蓄積されていくと思われますし(何が過失修正要素となるか)、また修正の程度自体も今後問題となり判例が蓄積されていくと思われます。
 ETCカードの入れ忘れといううっかりミスで事故になってしまった場合でも、大きなけがや車の損傷となってしまい、大きな責任を負わされることがあり得ますので運転時には十分に気を付けてください。