皆さんこんにちは、名古屋支部の弁護士上辻遥です。今日のテーマは外貌醜状と逸失利益です。

 外貌とは、頭部、顔面部、頸部のごとく、上肢及び下肢以外の日常露出する部分をいいます。外貌醜状の後遺障害等級は、①外貌に著しい醜状を残すもの(7級)、②外貌に相当程度の醜状を残すもの(9級)、③外貌に醜状を残すもの(12級)、以上の3種類です。

 後遺障害の認定が下りた場合に問題となる費目のひとつに、逸失利益があります。
 逸失利益は、得べかりし利益、簡単に言うと、後遺障害により労働能力が喪失したことに対する補償です。
 外貌醜状により後遺障害の認定が下りた場合も、保険会社は等級に応じた逸失利益を支払ってくれるでしょうか。
 残念なことに、外貌醜状の場合は、たとえば手足の欠損、視力の低下等、明らかに職業の幅が限定され労働に影響が出る後遺障害とは性質が異なるものと捉えられている傾向があり、保険会社は逸失利益の額をほぼ確実に争ってきます。

 裁判例でも、外貌醜状そのものについて逸失利益を認めていないものがあります。認めている場合でも、労働能力の喪失期間、喪失率を大幅に制限しているケースが多いです。
 他方、女優、ホステス等、外貌醜状が直ちに労働に影響が出る職業の場合は、喪失期間、喪失率をあまり制限せずに逸失利益を認めている裁判例も散見されます。また、後遺障害等級に非該当であるにもかかわらず、主婦兼女優・ホステスの、外貌醜状に対応した逸失利益を認定している裁判例もあります。外貌醜状につき逸失利益が認められるかは、職種に左右される傾向があるといえるでしょう。

 外貌醜状に関する逸失利益は、争いになりやすいうえ、算定要素も職種、年齢等複雑に絡み合っています。お困りの方はぜひ弊所にご相談ください。

弁護士 上辻遥