こんにちは。最近では自動車事故だけでなく自転車での事故のご相談を受けることが増えてきています。自転車は「軽車両」として道路交通法の規制を受けることをご存知でしょうか?
そのため、自転車と自動車とが接触事故を起こした場合、自転車は歩行者と同じに扱うことができないのです。ではその場合過失割合ってどうなるの?という点を今日は考えてみたいと思います。
自転車を運転中のAさんは、信号のある交差点で歩行者用信号が青であることを確認し横断歩道を横断しようとしていました。その際、同一方向を左折しようとしている自動車Bが目に入ったものの停止しているように見えたことから、Aさんは自転車に乗ったまま自転車横断帯よりの横断歩道を横断し始めました。ところが、B運転車両が進行してきて横断歩道上でAさんとB車両は衝突しました。
Aさんは信号表示に従い、横断歩道を横断していたのに過失があるといえるのでしょうか?
この事案で裁判所は「自転車に乗って交差点を横断するにあたりAは左折中の車両を認めていたのであるからその動静を十分に確認すべき義務がある」とし、
さらに「・・・義務があるのにこれを怠り、車両が停止しているように見えたことから漫然と横断を開始した結果、本件事故の発生を招いたということができ本件事故の発生につき相応の落ち度があるというべきである・・その過失割合は自転車横断帯よりの横断歩道を進行していたことなどの事実関係によると5パーセントとするのが相当である」と判示しています。
歩行者と自動車との接触事故についてみますと、
横断歩道上の歩行者と右左折車との事故については、歩行者が青信号で横断を開始した場合には、相手車両が青信号または黄信号で交差点に進入して右左折した場合でも歩行者の過失割合は0とするのが基本になっています。
自転車の場合と歩行者の場合では法律上過失の考え方が違うことに注意が必要です。
他にも自転車の運転では、例えば夜間に無灯火で運転していると過失が認められたりします。
自転車運転への規制は厳しくなる方向にありますので、自転車に乗られる方はくれぐれも運転に注意をしてください。