ごあいさつ
本日より、こちらでブログを書かせていただくことになりました、弁護士の福留謙悟と申します。
ここでは、主に交通事故に関して分かりにくいことや知っておくと役に立つようなことについて、書いていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。
まずは、交通事故で怪我を負ったときに、相手方と賠償額の交渉をしていく際に問題となる用語についてご紹介させていただきます。
因果関係について
交通事故が発生し、それによって人に何らかの損害が生じたとしても、それだけで賠償を求めることができるわけではありません。
相手方に賠償を求めるためには、その損害が事故によって生じたと言えなければなりません(因果関係)。
さらに、「事故によって生じた」と言っても、単純に、「事故がなければ損害は生じなかった」と言えるだけでは足りません。
一般的には、賠償請求が認められるのは、その事故からその損害が通常生じるであろうと認められる損害に限るとされていて、そのことを「相当因果関係がある」などと表現されます(なお、相当因果関係のとらえ方については、争いがあります。)。
なぜこのような考え方が必要なのでしょうか。
例えば、交通事故にあったのが会社の代表者であったような場合、それによって会社には計り知れない損害が生じる可能性があります。
また、風が吹けば桶屋が儲かるという具合に、果てしなく賠償の範囲が広がる可能性もあります。
そのような場合に、それだけの賠償の責任をすべて加害者に負わせることが公平の観点から見て妥当と言えるでしょうか。
交通事故を起こしたのだからしょうがないとも思えますが、やはりある程度限定する必要がありそうです。
このような発想から、賠償の責任が認められる損害の範囲は、相手方の行為と相当因果関係がある範囲に限られるとされています。
そこで、交通事故にあって、相手方に賠償を請求する際には、どの範囲までなら認められるのかを考えなければなりません。
なんとなく因果関係と言う言葉のイメージはできても、裁判で請求が認められるのかという判断になると、難しい判断になることも少なくありません。
賠償額の交渉を相手方とする際にも、損害のどこまでが請求できるものなのか、事前にきちんと把握しておくことが重要です。
弁護士 福留 謙悟