むち打ち損傷の治療に関しては、事故との相当因果関係の認められる範囲について問題となることが多いので、今回はこのテーマの事例をいくつか紹介します。

1 治療期間について争われた事例

 被害者が、交通事故により治療を要したとして治療費等を請求するのに対して、加害者側が一般的な治療期間を超過していること、衝突による衝撃が軽微であったこと、当初の加療見込みが短かったこと、被害者の心因的要素、既往症などの影響を理由に交通事故との相当因果関係の存する治療期間はより短期間であったと主張され争われることがあります。