3 実際に慰謝料を増額してもらうには?

(1)交通事故の損害の立証責任

 交通事故における損害賠償を請求するためには、損害が発生したことを被害者側で主張立証する責任があります。
 そして、慰謝料も損害の一つですから、慰謝料の増額事由が存在することも被害者側で主張立証しなければなりません。

 したがって、仮に慰謝料の増額事由があっても、被害者側からその事由を主張しなかった場合には、損害賠償額の中で全く考慮されないといったこともありうるのです。

(2)弁護士に依頼するメリット

 慰謝料の増額事由が認められるケースというのは、交通事故の中でも被害者側に過酷な状況が生じていることが多いですから、増額事由の存在を被害者が主張立証しなければならないということには、違和感をもつ方もいるかもしれません。
 しかし、法律の規定がそのようになっている以上、賠償を求める被害者も従わざるを得ません。
 そして、慰謝料というのは、既に述べたとおり、正確な額の算定が困難な損害項目といえることから、被害者自身で保険会社の担当者に対して、適切な主張立証をすることは簡単ではありません。

 弁護士に相談すれば、被害者に代わって、保険会社に対して、増額事由の存在を主張立証してくれますし、被害者が見逃している慰謝料の増額事由を発見してくれることもあります。
 よって、交通事故の被害に遭った場合、適切な賠償を受けるためには、弁護士に依頼するメリットは高いといえます。