交通事故によって後遺障害が生じた場合、後遺障害による損害として、①逸失利益②後遺障害慰謝料の請求をしていくことになります。

 ところが、外貌醜状(顔や露出部分の傷や瘢痕など)や歯牙欠損などの一部の後遺障害については、それ自体では直接の労働能力喪失をもたらさないという理由で、後遺障害の逸失利益が認められないことがあります。

 顔に大きな傷を負ったり、歯を多数失ってしまったような場合、被害者の方のショックは計り知れません。直接の労働能力喪失は生じないとしても、自分に自信が持てなくなること等により仕事に影響が出ることが考えられます。

 このような場合に、逸失利益を認めない代わりに慰謝料を増額することによって妥当な結論を導く場合があります。これを慰謝料の補完的作用といいます。

 他には、将来の治療費・手術費用の算定が困難または不可能な場合(例としてインプラントの治療費など)に、慰謝料を増額することによって、補完することもあります。

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