こんにちは。今日は交通事故で顔にけがが残ってしまった場合、どのような要件で後遺障害が認定されるのかについてのお話です。

 交通事故による傷害が顔に残ってしまう場合があります。車両の衝突時に顔面をフロントガラスにぶつけてしまったり、ガラスの破片で傷を負ってしまう場合等が考えられます。

 顔に傷跡が残ること自体もちろん耐え難いことですが、顔に瘢痕が残った全ての場合に後遺障害が認定されるわけではないのです。

 そこで、どういう場合に後遺障害の認定を受けられるかお話したいと思います。

 自動車損害賠償保障法施行令別表第二には、外貌醜状についての認定基準が規定されています。

 障害の程度として「外貌に著しい醜状を残すもの」として第7級の12、「外貌に相当程度の醜状を残すもの」として第9級の11の2、「外貌に醜状を残すもの」として第12級の14とされています。

 まず、「外貌」というのは、頭部、顔面部、頸部のような上肢及び下肢以外の日常露出する部分のことを言います。(今回は、「顔面部」に絞ってお話をします。)

 そして、上記の障害の程度をみてもらうと外貌醜状の程度ごとに等級がちがってくるのがわかります。

 第7級の12の「著しい醜状を残すもの」とは、顔面部にあっては、鶏卵大面以上の瘢痕または10円銅貨大以上の組織陥没がある場合で、人目につく程度以上のものをいうとされています。

 そして、第9級の11の2の「相当程度の醜状」とは、原則、顔面部の長さ5cm以上の線状痕で、人目につく程度以上のものを言うとされています。

 また、第12級の14で「醜状」というときは、原則、10円銅貨大以上の瘢痕又は長さ3センチメートル以上の線状痕がある場合で、人目につく程度以上のものをいうとされています。

 そうしますと、例えば、前髪で隠れるおでこの際あたりに3センチ以上の線状痕が残った場合ですと、第12級の14と認定されそうですが、前髪で隠れると言う点で「人目につく程度以上のもの」といえるかが問題になり、認定結果に影響を与えます。

 また別の事例ですと、ほほのあたりに5cm以上の線状痕があるが、薄くて人目にはつきにくいと言う場合にも「人目につく程度以上のもの」といえるかどうかで第12級の14と認定されうるかどうか判断が分かれそうですね。

 交通事故で顔になにか少しでも傷跡が残ってしまったらどうしても気になると思います。一人で悩まれずに、まず専門家にご相談されることをぜひおすすめします。