こんにちは。
最近、離婚相談で、財産分与に関する相談をよく受けます。そこで、今日は、財産分与についてお話したいと思います。
財産分与とは、離婚する者の一方が他方に対して財産の分与を求める権利です。これには、夫婦が婚姻中に協力して蓄財した財産の清算、離婚後の経済的弱者に対する扶養料、相手方の有責な行為により離婚を余儀なくされたことについての慰謝料、という3つの要素が含まれています。
財産分与の対象となる財産は、夫婦の共有財産と実質的共有財産(名義は一方に属するが、夫婦が協力して得た財産)です。
また、対象となる財産の範囲は、一般的には、別居時に夫婦が共有している財産とされています。別居時に夫婦が共有している財産は、夫婦が協力して得たもの、と言えるからですね。
では、夫婦がともに協力して得た財産で、今ではなく将来得る事ができる財産は、分与の対象になるのでしょうか。
このような財産として、退職金や年金があります。
年金については、最近法改正があって、平成20年4月以降、裁判所の手続きを経なくても、年金分割を請求できることになりました。平成20年4月より前の婚姻生活中に形成された年金も、裁判所の手続きを経れば、分割できます。
退職金はどうでしょうか。これが、60歳の定年まで働いた場合に得られる退職金をまるまるもらえるとなると、協力して婚姻生活を送っていない期間の働きに対する退職金までもらえることになってしまいますね。
そこで、
- 訴訟や調停の時点で仮に自己都合退職した場合にもらえる退職金の額
- 定年まで勤務した場合の退職金の額×(婚姻期間÷勤続年数)の額
等が、分与額の基準となります。
勤続年数、婚姻期間が長い配偶者については、年金や退職金といった財産も、あなどれないものになりますよ。