9月も半ばを過ぎ、ようやく秋めいてきましたね。日中はまだ暑いのに夜は急に肌寒くなったりして、この季節はいつも何を着ようかと迷います。衣替えもしなくてはいけないし・・・、なんとなく忙しないこの頃です。
さて、本日は、離婚と同時に分割割合を定めるための手当(情報提供の特則)について解説いたします。
どのようなことかと申しますと、離婚成立前は、婚姻期間が確定していないので、本来的には、分割割合も確定しないことになりますが、それでは、離婚と同時に分割割合を定めることができなくなってしまい不都合です。
そこで、以下のような手当がなされています。
手当1:
情報提供から1年以内に限り、その情報に基づいて分割割合を定めることが出来ます。
離婚成立までに情報提供を受けた場合、通知書に情報提供の請求があった日を対象期間の末日とみなして算定した情報が記載されます。
情報提供から離婚までの間があまり長いと、情報が古くなり、実際に離婚をした時に比べ、分割割合の範囲の下限に大きな違いが生じる可能性があるため「1年以内」と期間が制限されています。
手当2:
情報提供から1年経過前に、附帯処分等の申立てがしてあれば、1年経過した後も、その情報により分割割合を定めることが出来ます。
裁判手続きを利用する場合の、特則です。
情報の提供をした後、1年経過する前に附帯処分の申立てをすれば1年経過した後に、判決確定や調停成立してもその情報によって分割割合を定めることができます。
また、附帯処分の申立てをした後に情報の提供をした場合も、情報提供から1年経過しても、その情報によって分割割合を定めることが出来ます。
さて、次回からは、実務上の留意点について解説してゆきます。
弁護士 石黒麻利子