相変わらず暑いですね。夏の疲れが出て、9月に入ってなんだか体がだる重く感じている方も多いのではないでしょうか?体調管理に気をつけたい季節ですね。さて、本日は、家庭裁判所への申立ての時的制限の「つづき」からです。
前回、原則として離婚をした日の翌日から起算して2年を経過すると、社会保険庁等に対する年金分割の請求をすることができなくなること(公法上の制限)、その結果、特に規定はありませんが、家庭裁判所への分割割合に関する申立ても出来なくなること、ただし、例外として2年経過前に、家庭裁判所へ申立てをすれば、事件の係属中に2年が経過しても、その後に分割割合を定める調停をすることが出来るというお話をしましたね。
この、例外について、もう少し詳しく解説します。
1.離婚から2年を経過した後に調停成立があった場合について
離婚をした日の翌日から2年経過する前に、調停や審判の申立てがしてあれば、調停成立等が、離婚から2年経過した後であっても、社会保険庁等に対する年金分割請求をすることが出来ます。この場合、社会保険庁等に対する年金分割請求は、調停成立等から1か月以内にする必要があります。
2.離婚から2年経過前に調停成立等があったが、調停成立等の時点から離婚後2年経過までの間が1か月未満の場合について
このような場合、調停成立等の後、社会保険庁等に対して年金分割請求をしたときには、既に離婚後2年を経過してしまっていたということが想定されますね。しかし、そのような場合でも、調停成立等の時点から1か月以内に社会保険庁等に年金分割請求をしてあれば、年金分割が可能です。
離婚後、うっかり年金分割を忘れていたとしても、離婚をした日の翌日から起算して2年を経過する前でしたら、まだ間に合いますのであきらめないで下さいね。ただし、調停や審判が成立した後、1か月以内に社会保険庁等に年金分割の請求をすることも忘れないで下さい。
弁護士 石黒麻利子