不貞相手に対して損害賠償請求する際に、よく問題になるのが証拠の存在です。最近では、興信所を使って調査される方も増えてきている印象ですが、やはり、調査費用がネックになって、調査までは・・・・と仰られる方がほとんどでしょう。

 調査費用について、不貞相手に請求できるのですか?とのご相談もよく受けます。

 結論から申し上げると、基本的には請求可能です。訴訟においては、弁護士費用と合わせて、調査費用も請求することがあります。

 相手方からは、「プライバシーの侵害だ」、「肖像権の侵害だ」等の反論を受けますが、裁判所も「著しく反社会的な手段を用いて人格権等の侵害を伴う方法によって採集されたものとまでは認められない。」として証拠として採用し、証拠収集の必要性があり、相当因果関係のある範囲については、請求を認めています。

 裁判所も、調査が必ずしも必要だったのか、他の証拠で容易に立証できたのではないか、必要だったとして、高額な調査費用をかけることまで必要だったのか等を具体的に検討し、調査費用の一部について支払を命じる場合が多いといえます。

 例えば、性交渉の写真が残っているとか、訴訟前の交渉の際、相手方から事実関係を認め謝罪を受けており、不貞の事実には争いがないことが明らかで、訴訟において一転して否認される可能性もないような場合には、調査費用が否定される可能性が高いでしょう。