こんにちは。長谷川です。
毎日暑いですね。暑いと基本的機能が全てストップしてしまう私は、一日千秋の想いで秋を待っています。
なので、今日は、軽く、離婚交渉のお話をしようと思います。
あくまで私見に過ぎませんが、離婚交渉において大切なものは、「情」と「理」のバランスだと思います。
「理」は「利」ではないの?と思われた方もいるかもしれませんが、「理」です。
「利」は、「情」と1セットで考えれば足りるもので、「利」と「情」の間でバランスを図る必要は余りありません。
大切なのはあくまで「理」と「情(+「利」)」のバランスなのです。
交渉がうまくいくか否かも、条件面の折り合いを別にすれば、この匙加減が大きな影響を与えることが多いと感じています。
では、「情」と「理」、何を基準に使い分けるのでしょうか?
交渉相手方の性格や離婚を決意した経緯にもよりますから一概には言えませんが、総論的には、代替性・譲歩余地がある希望については、主に「情」の部分で交渉し、代替性・譲歩余地のない希望については徹底して「理」で交渉します。
「情」の交渉に必要なのは反射神経と相手方を見極める能力であり、心理戦・パワーゲームの要素が強いですが、「理」の交渉に必要なのは全体を俯瞰して戦略を立てる能力です。
従って、「情」の交渉は、柔軟に対応できるので(目標地点も変更可)、交渉の難易度は高くありません。他方、「理」の交渉には「絶対にこうする!」という意思の強さが不可欠であり、目標地点を変更することは殆どできません。感情に流されることもNGですし、思い悩むことも許されません。従って、「理」の交渉の方が難易度は高いかもしれません。
離婚交渉の例で言うなら、金銭面は「情」、親権や面接交渉、離婚するか否かといった点については「理」で交渉することが多いと思います。
なんか抽象的で分かりづらいですか?
いいんですっ。そんな簡単に分かられてしまったら、お金をいただいて交渉する私たちの立場が意味なくなってしまいますもん(笑)。
ただ、離婚交渉を弁護士に依頼する際、ただ漠然と「やってみないとどうなるかわかりませんが、まあ交渉してみましょう」というような弁護士には、上記のような基準や方法論が殆どないと考えられる為、交渉の成功可能性も低くなりがちなので、ご依頼するか否かは、よく考えられたほうが良いかもしれません。
他方、「この点については、こういうルートで攻めて、こう落としましょう」「この点については、最悪、捨て駒にして、別の点を獲得することを目指しましょう」等と具体的に交渉方法を説明してくれる弁護士には、一定の基準や方法論があると思いますので、交渉の成功可能性も期待できるので、ご依頼になってみると良いと思います。
弁護士 長谷川桃