こんにちは。今日は、配偶者の不貞行為について、子どもに伝えるべきか?という点について考えてみたいと思います。
離婚原因のなかでも常時上位に挙げられる原因の一つに、浮気、つまり不貞行為があります。
パートナーが不貞行為をしたと分かった時、誰でも強いショックを受け、誰かに相談したくなるものだと思います。
不貞の発覚を受けて、離婚の話を今後進めるのであれば、家族として、子どもたちにも状況を説明しておかなければならないと考えるのもうなずけます。
でも、子どもは、あなたの子供であると同時に、相手の子供でもあるのです。
特別な理由がない限り、本来、子どもは両親のどちらも大好きであることが多いですし、例え離婚という結論になったとしても、相手が親である事実は決して消えません。親権者とならなかった側の親とも良好な関係を築いていくことが望ましいはずです。
お子様の年齢や、性格、親との関係性も踏まえて、一方の親の不貞の事実を子どもに伝えるか否か、伝えるとしてもどの程度まで伝えるかは、本当に慎重に検討してください。
このような事実は、お子様と一方の親との今後の関係(養育費、面会交流)に影響してくることはもちろん、家庭において子供の前で不貞の事実を暴露したこと、そのものが離婚原因の一つの要素として考慮されたり、子の親権を考慮する際の考慮要素の一つになったりする可能性も十分にあります。
先日も、不貞行為発覚から半年後に子供たちに相手の不貞行為の事実を伝えたことが、『相手の不貞行為を許さず、引きずり続けて、平穏に戻りかけた家庭の雰囲気を悪くし』、相手の別居を引き起こした理由の一つとなると評価できる、という判決を目にしました。
感情的になって動くことで、あとから取り返しのつかないことになってしまうことはよくあります。
一度、落ち着いて深呼吸し、専門家に相談してしっかりと対策を練りましょう。
弁護士 井上真理