こんにちは。子どもたちの夏休みもあとわずか、というところですね。
さて、本日は、離婚の手続の最終段階の訴訟における和解についてお話をします。
訴訟と言うのは、一般的には、「判決」というものが出されて終了するというイメージがあると思います。しかし実際には、「和解」によって終了することが多いです。特に家事事件は、他の民事事件と比較して、法律では割り切れない部分も多く、和解が適切な場合が多いと思います。
判決と和解の違いは、判決は裁判官の判断で決まるものですが、和解は当事者双方の合意によって決まるものという違いがあります。合意によって決まるという点においては、和解は調停に近いと感じられるかもしれません。
ただ、和解は、訴訟手続において双方がいろいろと主張立証を積み重ねた上になされるものですし、間に立つのも調停委員ではなく、裁判官であるという点において、違いがあります。
和解は、訴訟手続きの一環ですから、和解が成立しなければ、判決で終わらせるということも可能です。ですから、調停のように、なかなか合意に至らないからずるずる続けるということはほとんどありません。そういう意味で、訴訟上の和解にはタイミングと勢いが必要になります。
タイミングについてですが、たいてい、裁判官の方から、「そろそろ和解も視野に入れては・・・」という提案があったり、双方当事者の根気が切れて来て、和解したいという気持ちになってきたりというタイミングで和解に進みます。つまり、「もうこれ以上、お互いに主張や立証をしても、大して変化はなさそう。」とか、「これ以上やってもお互い利益はなさそう。」というタイミングで和解手続に進みます。もしあまり早く和解を進めようとしたら、「いやいや、まだ主張したいことはたくさんある。何のために訴訟をしてるんだ?」ということになりかねませんので。
そして必要なのは勢いです。和解が不成立になれば、判決になりますから、「判決か、和解か。どちらがお得か。」と判断する必要性に迫られますます。もし、「次回までに考えてきます・・・」などと言って悩めば、次回期日で結局まとまらず、判決でかえって不利な結果に終わるリスクも考えられます。
最終段階が近づけば近づくほど、不安が増してくるものですが、判決というものは案外期待通りにはいかないということも踏まえ、和解でいかにして早期に解決し、身も心もすっきりするかということも考えてみてはいかがでしょうか。