蒸し暑い毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。私は暑がりなので、夏はキライです。冬眠じゃなくて夏眠したいです。
 そんな暑いさ中、この前、家庭裁判所で家事調停がありました。待合室が蒸し暑くてつらかった・・・
 その時の案件でまず問題となっていたのが「婚姻費用」です。

 婚姻費用というのは、結婚している間に必要な生活費や養育費を合わせたものです。

 夫婦が別居したら、ふつうは夫婦別家計になってしまいますよね。でも、夫婦の間には扶助協力義務、つまり、お互いに経済的にも支え合っていかなければならないという義務があります。ですから、別居して夫婦別家計になっても、夫婦のうち収入の多い方の配偶者が少ない方の配偶者を助けて、収入が多い方の配偶者と同じレベルの生活水準で暮らせるようにしなければなりません。

 そこで、婚姻費用の分担が必要となります。

 婚姻費用の分担の仕方は、収入の多い方の配偶者が収入の少ない方の配偶者に対してお金を渡すという方法です。どのくらいの額渡さなければならないか、というのは、夫婦双方の収入を基礎にして婚姻費用算定表というものに基づいて算定されます。

 ただ、この算定表に基づいて算定するにしても、基本的には、お互いの収入がわからなければ、算定できません。

 そんな時、参考にされるのが「賃金センサス」というものです。

 この賃金センサスは、厚生労働省が行っている労働者の賃金統計調査に基づき、年齢や学歴ごとに、労働者の賃金の実態を表したものです。

 ただ、もちろん、相手の収入が賃金センサスよりも高いのであれば、賃金センサスに基づいてではなく、実際の夫の収入に基づいて婚姻費用の額を算定したいですよね。

 そこで、いざ、婚姻費用の額を算定しようとした時に実際の夫の収入額に基づいて算定できるよう、別居する前に前もって夫の収入の証明となるようなもの(源泉徴収票など)を集めておくとよいですね。

 それからあなたの収入が賃金センサスよりも低い場合、「妻はもっと働けるはずだ、稼げるはずだ。」と主張されて、実際の収入よりも高い賃金センサスの収入額に基づいて婚姻費用の額が算定されてしまうおそれがあります。でも、そんなこと言われても、子どもは小さいし、1人で育てなければならないし…ということで、実際に収入を増やすのは難しいですよね。

 そんな場合について、妻に働く能力なしと評価して、賃金センサスに基づく算定をせず、実際の低い額の収入を基礎に算定した審判例もあります。

 だから、夫から「もっと稼げるはずだ。」なんて言われても、「働けないものは働けないのだし、あなたの子どもを育ててるんだからそんな無茶言わないで」、と自信をもって主張してください。