こんにちは。桜がきれいな時期になりましたね。
 今日は、面会交流が制限される場合について考えてみようと思います。

 別居中や離婚に際し、面会交流の条件を決める事があります。裁判所において面会交流の条件を決める場合、「月1回程度」という条件に落ち着くことが多いです。そして、別居親に多少の問題がある場合でも、これ以下の条件まで落ちることは、あまりありません。

 しかし、もちろん、何が何でもこの条件以上の条件になるというわけではありません。相手方に面会交流をさせることに不安を覚えることはありますから、面会交流の条件を制限したいと考えるのもやむをえません。

 そこで、面会交流が制限される場合というのは、どのような場合か、例を挙げてみます。

 子が面接に積極的ではなく、別居親が同居親(親権者)の監護方針に干渉するおそれがあり、これによって情緒障害(もともと離婚に伴う家庭内のトラブルにより発症)で入院治療中の子が混乱するおそれがあり、適切な子の監護ができなくなるようなケースでは、面会交流の申立てが却下されています(長野家庭裁判所上田支部平成11年11月11日審判)。

 また、元夫が覚せい剤の乱用により受刑し、出所後も親権者らに対して暴行を加えたり金銭の要求をしたり、子の通園先にも迷惑をかけたケースでは、訴訟時の事情が変更したということで、もともと離婚訴訟の和解で定めていた面会交流条件が取り消されました(浦和家庭裁判所昭和57年4月2日審判)。

 非親権者である夫が親権者である妻に対し、婚姻中、DVを加えており、その後、元夫はDV加害者を対象とする講演会等にも参加していたようなケースで、元夫は加害者としての自覚に乏しい状態であること、妻はPTSDと診断され、面会交流の機会を強いることは妻に大きな心理的な負担を与え、結果として母子の生活の安定を害し、子の福祉を著しく害する恐れが大きいことなどから、面会交流の申立てが却下されました(東京家庭裁判所平成14年5月21日審判)。

 このように、面会交流が制限されるケースはいろいろありますが、結局、子の生活の安定や情緒的安定が害されるかどうかという視点は、面会交流が制限されるかどうかの判断において、重視されているようです。

 しかし、子の情緒不安定を立証したり、相手方に納得してもらったりすることは、困難なことが多いです。ですから、子が情緒不安定だということに加え、不安定になる原因となる相手方の具体的な行動等を細かに主張していく必要があります。