奥さん(または旦那さん)の不貞相手に対して慰謝料を払え!と裁判を起こした時、裁判官はどのような要素を考慮して不貞慰謝料の金額を決めるのでしょうか。

 まずは、今までの婚姻関係に関して、婚姻期間は何年か、もともと仲の良い夫婦だったのか、喧嘩ばかりしている夫婦だったのか、不貞をされた方に落ち度はなかったのか、例えば、家庭を顧みないDV夫だったとか、借金してブランド品を買いまくる妻だったとかいうような事情がなかったのか、という事項が算定要素として挙げられます。

 それから、不貞の態様に関して、不貞期間はどれくらいだったのか、どの程度の頻度で会っていたのか、会って話をするだけの方が多いような付き合いなのか、何度も一緒に旅行に行くような付き合いなのか、不貞を主導したのはどちらだったのか、家庭を壊しても構わないと思って付き合っていたのか、等の事項も重要な算定要素です。また、不貞相手が、不貞をしていないと嘘をついていたとか、一度は別れると言ったのに隠れて付き合っていた、というようなことも増額の要素となり得ます。

 さらに、不貞の被害に関する事項として、不貞により離婚してしまったのか、別居や離婚調停など離婚の危機に瀕しているのか、離婚までは至らなかったのかという婚姻関係への影響や、不貞によってうつになったとか、仕事に影響が出たとかいうような配偶者が被った精神的苦痛の大きさという事項も重要な要素となります。

 また、不貞相手が反省、謝罪していないこと、というのも増額要素となります。

 このように裁判では不貞に関するありとあらゆる要素が考慮されて不貞慰謝料の額が算定されます。そして、裁判の場では自分に有利なことは自分で主張しない限り、裁判官は判断の資料としてくれませんので、不貞慰謝料を請求される側も請求する側も、婚姻生活の初めから慰謝料を請求する(される)に至るまでのあらゆる事柄を今一度よく思い出して、慰謝料金額の増減に関わりそうなことは全部主張して、裁判官の眼前にさらすことが大切です。

弁護士 堀真知子